厳しい夏を元気に乗り切るためには、食事への注意がいつも以上に大切です。夏の食事のコツはメインディッシュ+の「足し算ごはん」。今日から実践できる方法をご紹介します。
こんな生活していませんか?
最近の食生活を振り返ってみましょう。心当たりはありませんか?
ジュースやアイスなどで糖分を摂りすぎる
糖質がエネルギーに変わるときにはビタミンB1が必須。 ジュースなどで糖質を摂りすぎる一方で、食事がおろそかだとビタミンB1が不足し、夏バテの原因に。
一度にたくさんの水を飲む
一度にたくさんの水分を摂取しても、その多くは体内に吸収されず体外へ。それでは脱水の予防や解消にはなりません。少量をこまめに飲むのが基本です。
つまみなしで、 ビールばかり飲む
ビールには利尿作用があるため、大量の水分と塩分が体外へ排泄されます。それを補うには焼き鳥 や枝豆などのつまみを食べながら飲むことが大切。
冷たいものばかり飲食する
アイスキャンディやシャーベット、かき氷などを食べたあと胃がキリキリすることはありませんか。 こうした冷たい食べ物は胃の消化能力を低下させます。
1日3食とらない
1日3食きちんと食べないと、摂取エネルギー不足で夏ヤセし、体力も低下してしまいます。この 時期、少し太るぐらいのほうが夏バテを防げます。
夏に足し算したい4つの栄養素
夏の体を守ってくれる強い味方が「たんぱく質」「ビタミンB群」「ビタミンC」「鉄分」の4つの栄養素。これらを上手に足していくことが夏の食事の大きなポイントです。
旬の緑黄色野菜で栄養たっぷり
オクラやパプリカ、トマトなどの緑黄色野菜は、ビタミンCが豊富。しかもこれらは、夏が旬なので栄養価も高くなっています。ビタミンCは 熱に弱いので、調理の最後に加えて。
牛豚合いびき肉で手軽に摂取
肉類のたんぱく質はたまごと同様、必須アミノ酸をバランス良く含みます。加えて、 豚肉はビタミンB1が牛肉の約10倍も多いのが大きな特徴です。牛肉・豚肉の赤身には、吸収率の高いヘム鉄が 豊富に含まれています。
栄養バランスの良いたまごを活用
たまごは栄養豊富な完全食品。特にたんぱく質は必須アミノ酸を理想的なバランスで含みます。ビタミンB群や鉄も多いですが、ビタミンCは含まれていないので緑黄色野菜でカバー。
夏バテ防止の基本ルール
体力の消耗が激しい夏、栄養素の偏りやエネルギー不足に注悪して夏バテ防止に努めましょう。毎食、たんぱく質とビタミンB群、ビタミンC、鉄分がまんべんなく入っているのが理想です。
5種類の栄養素をできるだけ多く組み合わせる
たんぱく質、ビタミンB群、 ビタミンC、鉄分の4つの栄養素にエネルギー源となる炭水化物を加えた5種類の栄養素ができるだけ多く含まれる食事を目指しましょう。豚肉や野菜、イモなどさまざまな食材が入った具だくさんの豚汁はおすすめです。
缶詰や作り置きで楽に
サバの水煮缶や、サケやサンマのオイル漬けなど、 最近はさまざまな種類缶詰があるので上手に活用しましょう。また、トマトやナス、ピーマンなどの野菜をオリーブ油とニンニクで炒めるラタトゥイユは、夏の作り置き料理としておすすめ。
好みの香辛料や辛みを利用する
香辛料や辛みが食欲を促進。同じ野菜炒めでも、コチュジャンやトウガラシ、パクチーなどを加えるだけでいつもと違った味を楽しめます。バジルのオイル漬けもおすすめ。魚や肉料理、パスタ、ドレッシングなどに使えます。
簡単足し算アイディア集
ちょっとした工夫ですぐにできる足し算ごはん。今日から取り入れられるアイディアが大集合。
たんぱく質
筋肉や臓器など体を構成する主成分です。ホルモンや免疫抗体などの材料にもなります。不足すると体を構成するたんぱく質が分解され不足分を補うため、体力や免疫力などが低下します。
食材例:肉、魚、大豆製品、乳製品など
1.冷ややっこに肉みそ
豆腐に含まれるたんぱく質は少なめ。食が細くなりカロリー不足になりがちな夏には、豆腐が低力 ロリー食であることも気になります。肉みそを足してたんぱく質とカロリーをアップ。
2.頼れるギリシャヨーグルト
通常のヨーグルトを布などでこして水分を減らしたギリシャヨーグルトは、たんぱく質が凝縮。 つぶしたアボカドとオリーブ油を加えてソースにし、トマトにかければ夏らしい一皿に。
3.コンビニで手軽に
そのまま食べられるチキンやゆでたまごなど、たんぱく質が豊富で手軽な総菜が振っています。 も丁度良く、一人暮らしでも重宝します。忙しいときなどに上手に活用しましょう。
4.朝のたんぱく質が体内時計を調節
たんぱく質を摂ると、体温を上げて体内時計のリセットをスムーズに。また、たんぱく質の構成成分の一つトリプトファンは、ホルモンのメラトニンの材料であるセロトニンを合成し、夜の寝つきをよくします。
5.高齢者低栄養に注意
は高齢になると食が細くなったり、栄養素の吸収力が低下したりして低栄養になりがち。低栄養になると筋肉や骨が弱り、転倒や骨折などの危険度がアップ。高齢者はエネルギーやたんぱく質を十分にとり、やせすぎに注意しましょう。
ビタミンB群
体内で糖質がエネルギーに変わるときに重要な働きをするのがビタミンB1やビタミンB2です。不足すると糖質の代謝がうまくいかなくなり、全身の倦怠感や疲労感などの原因に。
食材例:うなぎ、納豆、レバーなど
1.玄米や全粒粉パン
ビタミンB群は未精製の穀類に多く含まれます。例えば、白米ご飯100gに含まれるビタミンB1は 0.02mgですが、玄米ご飯は白米の8倍の0.16mg、 胚芽精米ご飯は4倍の0.08mgとアップ。
2.ニンニクを上手に活用
独特の刺激はアリシンによるもの。アリシンはビタミンB1の吸収を高めて糖のエネルギー変換を促し、疲労回復に働きます。ビタミンB1が豊富な豚肉やハムなどと一緒に。
3.水溶性なので、汁物で
ビタミンB群は水に溶けやすい性質をもっている ため、調理や加工により 煮汁やゆで汁に溶け出 します。みそ汁やスープなどなら溶け出たビタミンB群も摂ることができます。
ビタミンC
暑い戸外と冷房の効いた室内との行き来は体にとって大きなストレス。体内のビタミンCの消費量が高まります。不足すると疲れやすくなったり風邪などにかかりやすくなります。
食材例:パプリカ、ブロッコリー、キウイなど
1.新鮮な緑緑黄色野菜を手早く料理
緑黄色野菜に豊富に含まれるビタミンCは水に溶けやすく、光や熱、空気の影響を受けやすい
という性質があります。できるだけ新鮮なものを購入し、手早く調理しましょう。
2.果物を積極的にとる
ビタミンCは果物く含まれます。中でもおすすめはキウイです。1日に必要な摂取量をゴールドキウイなら1個、グリーンキウイでもその6~7割をとることがができます。
3.他のビタミン、ミネラルと一緒に
ビタミンAやEと協力しあって効率よく抗酸化作用を発揮。葉酸と一緒にに摂ると貧血防止にカルシウムと一緒に摂ると骨密度がアップします。鉄と一緒に摂るのもおすすめです。
鉄分
体内の鉄の多くは赤血球のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンというたんぱく質と結合して、酸素を全身の組織に供給。大量の汗とともに鉄分が排泄されると体内で不足気味になり、疲労や他の原因に。
食材例:レバー、シジミ、ごま、豆乳など
1.ビタミンCと一緒に
食品中の鉄はヘム鉄と非ヘム鉄に分けられます。 野菜や乳製品などに含まれる非ヘム鉄はヘム鉄に比べ体内への吸収率は低いのですが、ビタミンC と一緒に摂ることで吸収がよくなります。
2.白身よりも赤身を
赤身の肉や魚には人と同 じように、筋肉中に酸素を取り込むためのミオグロビンが含まれています。 ミオグロビンに含まれるヘム鉄は非常に吸収されやすい性質があります。
3.アサリ缶は生の8倍の鉄分
鉄分は貝類にも多く含まれます。中でもトップクラスは缶詰で、生のアサリの鉄分が100g中3.8mgであるのに対し、水煮缶は29.7mgと約8倍も多く含んでいます。
4.鉄分入りの飲料やヨーグルトで補給
月経で毎月血液を失う女性は特に意識して鉄分を摂取して。鉄分入りの牛乳やジュース、ヨーグルトなどさまざまな種類のものが市販されているので、 上手に利用しましょう。
Keep on smiling!
管理栄養士による「食」に関するinstagramもチェック!!
引用
“引用文献:classA Life”