薬局が勧める『歩くを見つけよう』

薬剤師コラム

秋らしい楽しい日が増え始めました。運動をするには最適の季節です。運動は時々行うのではなく習慣化し、継続してこそ高い効果が得られます。 そのためには、生活に取り入れやすい運動を選ぶことがおすすめです。

“歩く”がもたらす、こんないいこと

日常生活で習慣化させやすいに “歩ぐ”は、効果いろいろ。

気分スッキリ

歩いて体を動かすと、運動をつかさどる交感神経が働き、休息をつかさどる副交感神経もバラン スをとろうと活発に働きます。それにより自律神経が整いストレスが解消され、気分がスッキリ。

心拍機能がアップ

歩くと、足や腰などの筋肉は血液中の酸素を利用して活動に必要なエネルギーをつくるので、 血液の流れが増えます。それにより心肺機能が高まります。

糖尿病予防や血糖値コントロール

歩くと血中のブドウ糖が消費され、血糖値が低下。長く続けていると、ブドウ糖の量を調節するインスリンの働きが効きやすい体質になり、糖尿病の予防・改善に。

高血圧の予防や血圧の低下

歩く運動はHDLコレステロール (善玉コレステロール)の量を増やし、高血圧を引き起こす動脈 硬化を予防。血液の循環がよく なり、血圧降下も期待できます。

肩こり・腰痛予防

歩くを継続すると血行がよくなり代謝が促され、肩や首筋の疲労物質が排出されます。下半身を有効に使うので、腹筋・背筋が鍛えられ腰痛予防にも。

骨密度低下の抑制

歩いて骨に負荷をかけると、骨を作る骨芽細胞が活性化し骨密度の低下を抑制。太陽の光を浴 びれば、カルシウムの吸収を高めるビタミンDの合成が促進。

脳を活性化

歩く運動は筋肉、腱、関節などにある感覚器を刺激し、脳を活性化させます。戸外を歩けば景色や音などの新しい情報が目や耳に入って、脳を刺激。

覚えておきたい“歩く”の基本

安全に“歩くために心がけたいことがあります。

靴の選び方・履き方

買い物や散歩程度であれば履きなれた靴でよいのですが、より充実し“歩く”にするためには専用の靴を用意したほうがよいでしょう。つま先に余裕がある、かかとがしっかり収まる、横幅が十分にある、 靴底はクッションがあり滑りにくい、といった靴を選びましょう。靴に足を入れたら、かかとで地点を軽くたたいてから靴紐を結びます。

継続する工夫

ただ歩くだけでは単調になり、飽きてしまいがちです。カメラを持ち歩いて道端に咲いた花の写真を 摂る、ゲーム性を取り入れた歩数計を利用する、ウォーキング日誌をつける、観光を兼ねてウォーキ ング大会などのイベントに参加する、仲間と一緒に歩くなど、楽しみを取り入れると継続しやすくな ります。

無理は禁物

健康状態や身体能力を考慮せずに歩くと、思いがけないやケガや障害を引き起こす恐れがあります。 歩く前、あるいは歩いている最中に体に異変を感じたら、すぐに歩くことを中止しましょう。糖尿病や心臓病、高血圧症などの持病を持っている人や、健康診断などで血圧や血糖値が高いと指摘された人は前もって医師に相談を。

 大切な水分補給

運動をすると体温の上がり過ぎを防ぐために汗が出てきます。水分補給をせずにこの状態を続けていると、今の季節であっても脱水症が引き起こされます。歩く前にコッ プ1杯はどの水分を摂りましょう。 歩いている途中も、こまめな水分補給が必要です。その際、大量に飲むと胃腸に負担をかけるので、少しずつ飲むようにしましょう。

あなたの“歩く”はどのタイプ?

誰でも、どこでも、いつでも、好きな時間に、一人でも、気の合う仲間とでも、 どんな服装でもできるのが“歩く”こと。心も体も健康にする“歩く”。3つのコースは複数を組み合わせてもOK。自分に合ったやり方を見つけましょう。

普段、“歩く” より、“車”で 移動タイプ→ラクラク歩数増やしコース

いろんな機会を活用してこまめに歩数をゲット。日常のちょっとした工夫で楽に歩数を増やすことができます。

1.できるだけ階段を使う

2~3階分を移動するときはエレベーターやエスカレーターではなく、階段を利用。平地を歩くより数倍も運動効果があるといわれます。足を読み外さないように足裏全体で着地しましょう。

2.スーパーを全通路回る

スーパーへの買い物は歩数を増やす絶好の機会です。店から遠いところに車を停めて歩いたり、近くならば歩いて行ったり、店内では全通路を歩き回りましょう。お得な商品が見つかるかも。

3.出かける予定を入れる

休みの日、家の中でだらだらと過ごしていませんか。それでは歩数は伸びません、ウィンドウショッピングや美術館巡り、郊外での散策など、歩いて楽しめる予定を積極的に入れましょう。

4.歩くために! 簡単筋トレ

普段から足腰を鍛えておくと、より歩きがスムーズに。足やひざ、腰への負担も軽くなります。3秒かけてゆっくりと腰を下ろし、3秒かけてひざを伸ばすスロースクワットなら、簡単に下半身全体の筋肉を鍛えることができます。

効果的な歩き方を知りたいタイプ→イキイキ早歩きコース

歩き方に少し工夫を加えて、運動効果を高めて。普段の歩きに早歩きを組み込めば効果アップ。

1.おすすめはインターバル速歩

*信州大学・能勢博教授が提唱

交互に強弱の負荷をかける歩き方をインターバル速歩といいます。具体的には、ややきついと感じる速さで3分間、ゆっくりしたスピードで3分間歩くのを1セットとし、 繰り返します。

2.高齢者は 「小分け運動」を

インターバル速歩 は1日5セット(計30分)を週4回行うのが目安ですが、 高齢者は朝3セッ ト、夕方2セットなど、小分けにして行うのがおすすめ。それぞれ2分間にして 1セットとしても。

3.歩き方は ここをおさえて

歩幅は日ごろ歩くときより大きめにし、 足のかかとから着地します。背筋を伸ばして胸を張り、ひじは90度に曲げて意識して後ろに引きます。目線は25メートルくらい先のやや斜め下を見ます。

ジョギングを楽しみたいタイプ→ルンルンジョギングコース

疲れないペースの安全・快適ジョギングを。腰や体への負担が少ないジョギング法です。

1.おすすめはスロージョギング

*スロージョギングは一般社団法人日本スロージョギング協会の登録商標です。

歩きと違って、両足が空中に浮く瞬間があるのがジョギングです。それを疲れずに、にこにこでいられるペースで行うのがスロージョギング。下半身の大きな筋肉を使うため、多くのエネルギーを消費できます。

2.足の着地と歩幅を意識して

その場でピョンピョンと軽くジャンプしてみましょう。足指のつけ根辺りで着地する感覚をつかんだら、そのまま 40~50cmの小さな歩幅で前進。 顎を軽く上げると、走りやすくなります。

3.頑張りすぎないための “プラス歩き”

つい速く走りすぎ てしまうという人は、1分間のスロージョギング(目安は180歩)と30秒間 の歩き(約60歩) を繰り返すとよいでしょう。これを1 セットとし、1日40 セットが目安です。

知っておきたい筋肉の話

運動後にはたんぱく質

運動後の筋肉は細かい傷が入ったような状態になっています。その補修に欠かせないのがたんば く質。特に運動後の約1時間は補修活動が活発になっているので、このタイミングに合わせて牛 乳などのたんぱく質を摂ると効果的です。

サルコペニアに注意

加齢に伴って筋肉の量が減り、筋力が衰えた状態をサルコペニアといいます。この状態になると転倒や骨折のリスクが高まります。歩くなどの有酸素運動と良質のたんぱく質の摂取でサルコペニアの予防に努めましょう。

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引用

“引用文献:classA Life”
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