薬剤師が勧める『頭と体でいきいき脳』

薬剤師コラム

体を使わないと体力が衰えるように、脳も使わないと衰えてしまいます。しかし脳は、鍛えれば衰えるのを防ぐことができます。脳を活性化させるには、「頭を使って考えること」と「体を動かすこと」、どちらも大切です。意識しないと怠けがちな脳に、頭と体から適度な刺激を与え続けるには、いつもの生活習慣にちょっとした工夫を取り入れることが大切です。それがいきいき脳につながります。

知って実践!いきいき脳習慣

普段の生活の中で実践したい、脳を元気に保つ習慣があります。

●家事こそ最高の脳トレ

どこからどういうふうに掃除をするか考えつつ、洗濯機に入れた洗濯物の状況を気にかけ、夕食のメニューを考えてといったように、同時に複数のことをこなす家事は脳がフル回転。

●有酸素運動で脳を鍛える

運動は脳の血流を増やし、脳を活性化させます。特にウォーキングなどの有酸素運動は、記憶に関わるという海馬という脳内の領域に新しい神経を生み出しやすくするといわれています。

●毎朝同じ時間に起きてリズムをつくる

起きる時間が不規則な生活は、脳を活性化したり、やる気を出したりする脳内物質の分泌リズムを乱し、時差ボケのような状態に、朝は一定の時刻に起き、日光を浴びましょう。

●刺激と休息で能力アップ

多くの刺激(情報)が入り続けると、脳も疲れ果て、効率よく情報処理ができなくなります。適切な睡眠で休息をとることで脳は元気を取り戻し、再び懸命に働いてくれます。

●話す力は脳の力

人と話をするとき、脳は相手の話を理解する、相手の感情を汲み取る、言葉を選んで口に出すなど、さまざまなことを同時に処理しています。これが脳を広く、強く活性化させます。

●魚を食べて脳いきいき

魚に多く含まれる不飽和脂肪酸であるEPA (エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、脳の機能を維持する働きがあります。

●できると思うことが脳パワーを引き出す

高齢者に何も言わずに記憶テストを実施したときの成績は若者とほぼ同じ。「高齢者の成績は悪い」と伝えて同じテストを行うと成績は低かったとか。「年だから」 という思い込みは脳パワーの妨げに。

やってみよう!! 頭と体のエクササイズ

考えることと、体を動かすことを同時に行うことが脳をより活性化。そんなエクササイズをご紹介。

●エクササイズをするときのポイント

ちょっとしたコツがエクササイズの効果をグンとアップさせます。

①できないことを楽しむ

ストレスは脳の機能を低下させ、逆に楽しく感じているときには脳はより活発に働きます。 好奇心ややる気をもって、できないことを楽しむポジティブ精神が脳を元気にします。

②一人よりも複数人で

誰かと一緒に取り組めば、ほめ合ったり、共感し合ったり、またほかの人から学んだり、教えたりできます。こうしたコミュニケーションが脳を大いに活性化させます。

③少しの時間でも毎日コツコツと

何事も“継続は力なり”です。短時間でもよいので、毎日頭と体に刺激を与え続けることがいきいき脳をつくります。

④慣れたら別のことを

慣れてしまうと脳への刺激度は低下。脳が活発に働くのは、未知の経験と遭遇したときです。慣れてきたと思ったら別のことにチェンジ。 順番ややり方を変えるだけでもOKです。

●いつもにプラス!生活編

日常生活で何気なく行っていることも、一工夫するだけで脳はいきいき。

①買い物をしながら料理手順を考える

ある目的に向かって物事を計画的に進めていく脳の働きを、実行機能といいます。 脳内でこれに関わっているのが、創造や思考など知的な活動を担っている前頭前野です。買い物も料理をすることも、前頭前野の働きを刺激します。

②歌いながら家事をする

好きな歌を熱唱しながら 洗濯物干しや掃除などを行います。家事そのものも脳を活性化するうえ、歌っているときは記憶から歌詞やメロディーを取り出す、音程を調整しながら発声するなど、脳内のいくつもの領域が働きます。

    ③シャンプーをしながら食べたものを思い出す

    洗髮時には手を細かく動かすので、脳内で運動や動きに関わる、 面積の広い部分が活発になります。 さらに今日一日食べたものを思い出してみましょう。単に思い出せる場合は、昨日、一昨日と、さかのぼってみましょう。

      ④散歩しながら 引き算をする

      外を歩くことは、筋肉だけでなく視覚や聴覚なども刺激します。さらに、頭の中で100から7ずつ引く計算をします。慣れたら引く数を3や6に変えてみましょう。目に入ったものの名前を挙げていくのも脳トレになります。

      ●たのしくチャレンジ!実践編 

      ちょっと難しいことにトライ。楽しく脳をフル回転させます。気に入ったものからはじめてみましょう。

      ①ステップに拍手を加える

      右足を右横に、右足戻す、左足を左横に、左足戻す、をリズムよくステップします。ステップを踏みながら1から順に数をかぞえ、3の倍数で手をたたきます。慣れてきたら、手を打つタイミングを変えてみましょう。ステップを繰り返しながら、30までやってみましょう。

      ②ステップしりとりをする

      右足前、左足前,右足戻す、左足戻す、が1ステップ、これを繰り返しながらしりとりをします。そのと き前の2人が言った言葉を先に繰り返し、トータルで3つの言葉を言います。言葉が思い浮かばなくても足を止めないで。 3人以上がおすすめです。

      ③ひとりじゃんけんで勝負する

      「じゃんけんぽん」と言いながら、両手でじゃんけんをします。右手はグー、チョキ、パーを繰り返し、右手が勝つように左手を出します。慣れてきたら、右手が負けるようにじゃんけん。さらに慣れたら左右を入れ替えて。

        ④指折りずらしで脳を驚かす

        右手の親指を折った状態にし、右手は人差し指、左手は現指から、1から順にかぞえながら折っていきます。小指が折れたら、今度は小指から順に問いていきます。10まで来たら最初の状態に戻っているはず。慣れたら左右を入れ替えて。

        ●いますぐトライ!挑戦編 

        お薬ができあがるまでの時間を利用して、脳のエクササイズをしましょう。脳がびっくりして活発に動き出します。

        ①色音読ゲームを楽しむ

        左上から横へ、書いてある文字を読むのではなく、「あか」「みどり」「あお」というように文字の色を読んでいきます。慣れてきたら一番上の行は文字の色、2行目は文字、3行目は文字の色、というように読んでみましょう。

        ②クロスワードで脳を多忙に

        記憶を引き出したり、縦や横のカギの文章から推量したりして脳を刺激。

          Keep on smiling!
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          引用

          “引用文献:classA Life”
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