1年のはじめに健康的な食生活を目指しましょう
2023年がスタートしました。 今年1年健やかに過ごしたいもの。そのために気をつけたいのが食事です。 ちょっとした工夫で食事の健康度がグンとアップ。 その大きな鍵が食物繊維です。
そもそも食物繊維とは人の消化酵素では消化されない食品中の成分のこと。 カニやエビの殻など動物性食品にも含まれますが、 多くは植物性食品に含まれています。 水に溶けるかどうかで次の2つに分けられます。
●不溶性食物繊維・・・水に溶けず、水分を吸収すると、数倍から数十倍にもふくれ上がります。 根菜や類、豆類などに多く含まれます。
●水溶性食物繊維・・・水に溶けてネバネバしたゲル状になります。 吸着性が高いのも特徴です。 大麦、果物、海藻などに多く含まれます。
食物繊維、体にめでたい5つのこと
満腹感の維持で過食を防止する
不溶性食物繊維は、胃の中で食物の水分を吸収してふくらみカサが増えるため、胃の中 での滞留時間が長くなります。 そのため満腹感が得やすく、食べ過ぎを抑え、 肥満を防止できます。
排便を促し、便秘を予防・改善する
不溶性食物繊維は胃や腸で水分を吸収し、大きくふくらみます。 その結果、便の量が増え、大腸の働きが活発になり排便が促されるので、 便秘の予防・改善につながります。
血糖値の急激な上昇を抑制する
水溶性食物繊維は胃の中でゲル状になり、 食事で一緒に摂った糖質を吸着し、胃から 十二指腸へゆっくり移動。糖質の消化吸収速度が遅くなり、 食後の急激な血糖値上昇 が抑えられます。
コレステロールの吸収を穏やかにする
水溶性食物繊維はコレステロールや、コレステロールを原料として作られる胆汁酸を吸着し、 小腸からの吸収を抑制。 血中コレステロールを減少させる ので、動脈硬化の予防も期待できます。
腸内環境を整える
不溶性食物繊維は便の量や回数を増加させるので、 大腸は有害物質の影響を受けにくくなります。 水溶性食物繊維は腸内細菌の働きにより発酵し、乳酸菌などの善玉菌を増やして 腸内環境を整えます。
食物繊維をしっかり摂るためのポイント
食物繊維の1日の成人男性21g以上、成人女性18g以上。しかし現状は平均14~15g程度。毎日4~5g増やすようにしましょう。
朝食を抜かずに、3食しっかり
食物は吸収されずに、そのまま体外に排出されるため、 毎日摂る必要があります。 しかし。 1~2食で1日の摂取目標量を摂ることは容易ではありません。 1日3食の規則正しい食事が摂取量を増やします。
不溶性、水溶性をバランスよく
不溶性と水溶性では食物繊維の働きが異なるため、 どちらか一方だけ摂ればよいというものではありません。いろいろな食品を食べることで、不溶性と水溶性の食物繊維をバランスよく摂取することができます。
セカンドミール効果とは
最初にとった食事が、次の食事(セカン ドミール) 後の血糖値にも影響を及ぼすことをいいます。例えば、水溶性食物繊維が豊富な朝食にすると、昼食後の血糖値も上がりにくくなります。
主食で摂ろう
かつて日本人は主食から多くの食物繊維を摂っていました。 主食のちょっとした工夫で食物繊維を増やせます。
色のついた穀類に食物繊維たっぷり
穀類の食物繊維は外皮やぬか、ふすまなどに多く含まれます。 いつもの精白米を玄米に代えたり、大麦などを加えたり、パン食ならば全粒粉パンやライ麦パンにするだけで、食物 繊維の摂取量を大幅に増やせます。
注目の大麦β-グルカン
水溶性食物繊維の一つに、大麦に多く含まれる大麦β-グルカンがあります。 整腸作用や血糖値の上昇抑制作用などに加え、内臓脂肪を減らしてメタボリックシンドロームを予防、改善すると注目されています。
麺類ならそばがおすすめ
麺類で食物繊維が豊富 なのがそばです。 1食分 (160g)で約3gの食物を摂ることができ、不溶性、水溶性を含みます。また毛細血管を強化し高血圧を防ぐルチンも摂れる、おすすめの食材です。
おかずでプラス
食物繊維を手軽にプラス。 さっと作れる食物繊維たっぷりのおかずメニューをいつもの献立に取り入れましょう。
豆類
おからのしらすおろし和え
引用元:しらすおろしのレシピ/作り方
- 時間:5分
- エネルギー: 約65kcal
- 塩分量:0.8g
- 食物繊維量:2.9g
食物繊維が豊富な豆類ですが、 大豆から豆乳を絞った残りのおからには特に多く含まれています。 大根おろしと和えることでしっとり食べやすくなります。しらす干しは、ものによって塩分量が違うので味をみて調味しましょう。
〇材料(2人分)
- おから(生)・・・40g
- 大根・・・5cm
- しらす干し…20g
- ゴマ油・・・小さじ1
- しょうゆ・・小さじ1
- 塩・・・適宜
- 水菜または小松菜・・・適宜
〇作り方
大根は皮をむいてすりおろし、おからとよく混ぜ合わせる。しらす干し、ゴマ油、しょうゆも加え混ぜる。 あれば茹でた水や小松菜を刻んで加え、味が薄ければ塩を加える。
根菜
さつまいものガーリック炒め
- 時間:15分
- エネルギー:約230kcal
- 塩分量:0.3g
- 食物繊維量: 1.4g
さつまいもの主成分はデンプンですが、ビタミンCや食物繊維も豊富です。 食物繊維は不溶性と水溶性の両方を含んでおり、特に不溶性食物繊維が多いのが特徴です。 切り口に黒い蜜が固まっているものは 糖度が高い証拠です。
〇材料(2人分)
- さつまいも・・・150g
- にんにく・・・1かけら
- オリーブ油・・・大さじ2
- しょうゆ・・・大さじ2
- 塩・・・少々
- コショウ・・・少々
- ローズマリー・・・適宜
〇作り方
さつまいもを7~8mmの厚さに切り、さらに4等分して水にさらし、レンジで1分程加熱する。フライパンにオリーブ油と薄切りにしたニンニクを加えて香りが出てきたら上記を入れ、さつまいもに火が通るまで炒める。塩、コショウで調味し、最後にローズマリーを加える。
海藻
わかめスープ
引用元:わかめとしめじのかき玉汁
- 時間:5分
- エネルギー:約45kcal
- 塩分量:1.0g
- 食物量:1.1g
わかめは水溶性食物繊維のアルギン酸が豊富です。旬は冬の終わりから春先ですが、塩蔵、乾燥、カットなどの加工品が通年で手に入るので、常備してお くと便利です。塩蔵品はしっかりと塩抜きしてから使いましょう。
〇材料(2人分)
- 乾燥わかめ(塩蔵は20g)・・・2g
- ネギ・・・10cm
- シメジ・・・1/4パック
- 卵・・・1個
- 顆粒鶏ガラスープ・・・小さじ1
- 水・・・300mL
- 塩・・・少々
- コショウ・・・少々
〇作り方
鍋に湯を沸かして鶏ガラスープとわかめ、小口切りにしたネギを入れる。 わかめが戻ったら、沸騰した状態のところに溶き卵を加える。卵が固まったら、小房に分けたシメジを入れてひと立ちさせ、塩、コショウで味を調える。
間食でおいしく
満腹感が得られやすい食物繊維たっぷりの間食は、小腹満たしに最適。 次の食事で食べ過ぎる心配も少なくなります。
小豆は食物繊維が豊富
間食に甘い物を食べたいときは、 小豆を使ったぜんざいなどはいかがでしょう。 小豆をはじめとした 豆類は食物繊維がたっぷり。 中でも小豆はトップクラス。 特に不溶性食物繊維が豊富です。 甘さ控えめがおすすめ。
飲み物はココアがおすすめ
カカオ豆を粉砕し、分離したカカオマスから脂肪分を除いたものがココアです。 純ココア100g中、 食物繊維はなんと約24gも。 特に不溶性食物繊維が多いのが特徴です。 この時期、 ホットココアで体もポカポカに。
水分が抜けたドライフルーツで効率的に
果物は食物繊維が豊富な食材で すが、水分が多いためそれほど多くは食べられません。 しかし、水分が抜けたドライフルーツなら効率よく食物繊維を摂ることがで きます。 ただし糖分も多いので食べ過ぎにご用心。
知っておきたいプラス情報
食物繊維たっぷりお雑煮
引用元:だしから作るお雑煮(関東風)
- 時間: 20分
- エネルギー:約220kcal
- 塩分量:1.4g
- 食物繊維量:3.7g
〇根菜たっぷり
3種の根菜から食物繊維が摂れます。 ゴボウは水溶性食物繊維も豊富です。
〇海藻をプラス
昆布を削って作られるとろろ昆布を 加えることで、食物繊維だけなく旨味もプラス。
〇もち麦をアクセントに
麦のなかでも食物繊維の含有量が多いもち麦。 つぶつぶの食感が楽しめます。
〇材料(2人分)
- 餅・・・2個
- 鶏肉・・・50g
- かまぼこ・・・2cm
- 大根・・・3cm
- ニンジン…3cm
- ゴボウ・・・5cm
- 小松菜・・・葉2枚
- もち麦(乾)・・・大さじ1
- とろろ昆布・・・10g
- だし汁・・・2カップ
- しょうゆ・・小さじ1
- 塩・・・少々
〇作り方
もち麦は15分茹でて水気を切る。 切った野菜と鶏肉をだし汁で煮て、しょうゆと塩で味を調える。餅は軽く色づく程度に焼く。 汁と餅をお椀に盛りつけ、 もち麦を加え、かまぼこを飾り、とろろ昆布を添える。 いつもの雑煮に茹でたもち麦やとろろ昆布を加えるだけでも。
●サプリメントに注意して
食品には不溶性と水溶性の食物繊維が含まれます。 ところがサプリメントはどちらか一方だけなので、食物繊維の一部の効果しか期待できません。食物繊維は食事から摂るの が基本。サプリメントは補助食品として利用しましょう。
●冷たいと増える食物繊維がある!?
食物繊維の一種にレジスタントスターチ(難消化性デンブン)があります。 全粒穀類に含まれるほか、デンプンを加熱した後、冷める過程でもできます。 例えば、冷たいおにぎりやポテトサラダに多く含まれます。
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classA Life
圧力釜で炊いた【寝かせ玄米】
★2022年10月「快腸生活」の回でもご紹介★
商品ページ:https://www.nekase-genmai.com/brand-genmai-retort
◆薬学的おすすめポイント◆
●白米と比べて約6倍の食物繊維
玄米とは、稲の果実である籾(もみ)から籾殻(もみがら)を取り除いた状態のもので、精米する前のお米のことです。カロリーは白米と同じですが、玄米は周りをぬかに覆われているため、白米とは違って茶色い色をしています。この茶色いぬかの部分には、ビタミンやミネラル、食物繊維といった栄養素が詰まっています。玄米は白米と比べて食物繊維が約6倍、ビタミンが約2倍〜12倍の完全栄養食です。
●玄米とは思えない食感で毎日食べられる
圧力鍋で炊いた玄米を数日寝かせて作るのが「寝かせ玄米®」で、食べにくい・美味しくない、という今までの玄米の概念をくつがえす、もちもち食感とお米の甘みが特徴です。
●便利なパッケージで食事をカスタマイズ
常温1年間賞味期限の便利なごはんパックです。時間がない時や出張中、家族は食べないけど自分だけ食べたい、そんな時に便利です。