こんな悩み、ありませんか?
① 朝、すっきり起きられない
② なかなか寝付けない
③ 午前中ボーっとすることがある
④ 疲れが取れない
⑤ 朝早くに目が覚めてしまう
⑥ 朝、食欲がない
心当たりのある人は体のリズムが乱れているかも。
休日に寝だめをしたり、寝る前にスマートフォンなどを操作したり、夜遅くにご飯を食べたりしていませんか?
こうした生活習慣は体のリズムを乱し、さまざまな不調をもたらすことが。
中面の対策を参考にメリハリのある生活をして体のリズムを整えましょう。
「体内時計」を知っていますか?
体のリズムを刻んでいるのは体の中にある「体内時計」です。
この体のリズムを整えるには、「食事」と「光」の2つの要素から体内時計をリセットする必要があります。
食事に関しては、いつ、何を食べるかという体内時計を考慮した「時間栄養学」を中心に、効果的なリセット法をご紹介します。
● 体内時計は、朝の目覚めや夜の睡眠のリズムをつくる
人間は朝になると目が覚め、夜が来ると眠くなります。
また、一晩の眠りの間にも、体を休ませるレム睡眠と脳を休ませるノンレム睡眠のセット (約90分)を数回繰り返しています。
体内時計は、このような覚醒や睡眠のリズムをつくっています。
● 体内時計のリセットにより、良質な睡眠と規則正しい生活習慣が得られる
体内時計は睡眠のリズムだけでなく、体温、血圧、脈拍、ホルモンの分泌など、さまざまな生活リズムを刻んでいます。
体内時計をリセットすればこうした体のリズムが整い、良質な睡眠と規則正しい生活習慣が得られます。
● 体内時計の1日は24時間と少し
私たちは地球の自転に合わせて1日24時間の生活リズムで過ごしていますが、体内時計は24時間より少し長いことがわかっています。
体内時計の針を生活リズムに合わせる仕組みが、体には備わっています。
● メイン時計とサブ時計がある
体内時計は2種類あります。
メイン時計は脳内の視交叉上核と呼ばれる場所で全身の体内リズムを、サブ時計は臓器や皮膚などほとんどの細胞にあると考えられていて、個々にリズムを刻んでいます。
●「食事」と「太陽光」の W刺激で体内時計をリセット
メイン時計は目に近い視交叉上核にあるため、の太陽光の刺激で時計の針合わせをします。 また、規則正しく食事をすると、 それが刺激となって視交叉上核を介さずにサブ時計の針が調整されます。
●体内時計とヒスタミンとメラトニン
ヒスタミンとメラトニンは眠りを調節するホルモン。最近注目のメラトニンは朝日を浴びると分泌がストップし、体が目覚めます。14~16時間すると再分泌しはじめ、徐々に量が増えて眠気を感じます。
●体内時計のリズムが乱れると肥満になる!?
多くの研究で朝食欠食を含む生活習慣の乱れが体内時計のリズムの乱れを招き、肥満につながるとの報告が。コロナ禍で在宅勤務する人に肥満傾向が見られるのも同様の理由との指摘があります。
●あなたは朝型それとも夜型?
予定のない休日の前夜に目覚まし時計をかけずに寝て、寝た時刻と起きた時刻の中間時刻*を出してみましょう。
表のどこに当てはまりますか。
例えば、夜型なのに朝から仕事をしなくてはいけない人は、体内時計のリセット法を活用して、より快適に過ごせるようにしてみましょう。
*夜中の0時に寝て8時に起きたら、中間時刻は4時
年齢 | 朝型 | 中間型 | 夜型 |
20代 | 4時より前 | 4~5時 | 5時より後 |
30代 | 3時半より前 | 3時半~4時半 | 4時半より後 |
40~50代 | 3時より前 | 3~4時 | 4時より後 |
60代以上 | 2時半より前 | 2時半~3時半 | 3時半より後 |
「食事」で体内時計をリセット
食事による刺激が、まずサブ時計の針を調整。さらにメイン時計の針も。
食事がメリハリ生活の基本
●朝食をしっかり食べる
朝食をとらないと体内時計は朝が来たことを認識できないため、リセットされません。朝食を抜くと体内時計にとっては昼食がその日最初の食事となり、そこで朝が来たと勘違いします。
●夕食と朝食の間を長く空ける
朝食を英語で breakfast といいます。 fastとは絶食、breakは破るという意味。つまり夜間の長時間の絶食後に食べる食事が朝食というわけです。夕食から朝食までは少なくと10時間程度空けるのが理想です。
●3食規則正しく食べる
毎日、規則正しい食事をすることで体は「そろそろ食事の時間だな」と予知できるようになり、食事の数時間前から消化液を分泌するなど、食べる準備を整え始めます。これにより消化能力が高まります。
●3食は4:3:3のボリュームで
食事の量も体内時計に影響します。 これまでの研究で、朝昼夜の食事量の割合が4:3:3のときに体内時計がしっかりリセットされることが判明。それができない場合は3:4:3でもOK。
●おやつは夕食の3時間前に100キロカロリー程度まで
夕食のあとにおやつを食べると朝までの絶食時間が短くなります。おやつを食べるなら夕食の3時間ほど前、100キロカロリー程度までに。グラノーラなど食物繊維多めのおやつなら、次に食べる 夕食後の急激な血糖値上昇を防ぐという報告も。
<100キロカロリーおやつの例>
ミルクチョコレート18g(50g板チョコ1/5枚弱)
バナナ120g(中サイズ1本)
アーモンド17g(約15枚)
●子どもの朝食は特に大事
文部科学省が小学6年生116万人、 中学3年生108万人を対象に行った大規模調査によると、毎日朝食を食べている子どもは国語、算数(数学) いずれも成績が高く、朝食を食べていない子どもの成績はぐっと落ちるとの結果が。
朝食でのリセットのポイント
●朝起きて2時間以内に食べる
朝起きてすぐに食事をしなくても、起床後2時間以内ならメイン時計もサプ時計も針を合わせられます。 それを過ぎると朝食による体内時計への刺激効果が弱くなり、2つの体内時計の針は調整できません。
●朝食はたんぱく質と 炭水化物を組み合わせる
エネルギー源の炭水化物と体内時計の働きを活性化するたんぱく質の組み合わせが体内時計を強力リセット。 炭水化物は精白米やパンなどGI値の高いもの(食後血糖値を上げやすい食事)にリセット力があります。
●消化しやすいたんぱく質を摂る
たんぱく質の摂取は高齢者に多い低栄養の予防にも役立ちます。とはいえ朝から分厚いステーキでは胃腸への負担が大。たんぱく質の多い食材の中でも納豆や鶏肉など消化のよいものが朝食 に適しています。
●魚油にリセット効果が!ツナがおすすめ
インスリンが体内時計のリセットに大きく関係することがわかっています。 脂質では魚油、特にツナの油がインスリンをたくさん分泌させ、体内時計のリセット効果が最も高いとの研究結果が。
●ちょい足しでたんぱく質を摂る工夫
同じコーヒーを飲むのなら牛乳をプラスしてカフェオレに、スープにチーズやヨーグルト、卵をプラス、魚や肉の缶詰を利用して1品追加といった具合に、ちょい足し工夫でたんぱく質の摂取量がぐっとアップします。
朝食を欠かさない工夫
●残り物をアレンジ
忙しい朝には、前の晩の残りものを上手に利用して時短料理を。例えば、残った野菜炒めにツナ缶と卵をプラスしてたんぱく質たっぷりに、ご飯にチーズを加えてドリア風に、みそ汁にご飯と卵を入れておじやになど。
●ワンプレートで洗い物を減らす
料理を盛る器やお皿が多くなるほど、 食器洗いに時間がかかります。 これを解消する工夫として、少し大きめのお皿に何品か盛り付けるワンプレート料理はいかが。これなら片付けが簡単です。
●コンビニ食でも朝カフェでも
朝食は手づくりでなくても、レトルトやインスタントでも構いません。コンビニで購入した総菜を利用する、朝の通勤途中のカフェでモーニングメニューを選ぶなどでもOKです。
「光」で体内時計をリセット
食事とともに体内時計のリセットに欠かせないものが太陽光です。光が一切ない状態で生活するとやがて昼夜逆転になることがわかっています。
●朝日を浴びる
決まった時刻に起きて朝日を浴びましょう。 その光により体内時計がリセットします。また、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌量が一気に減って眠気が消え、すっきりと目覚めます。
●昼間に太陽の光を浴びる
昼間、太陽の光を浴びると、夜分泌されるメラトニンの合成に効果的です。メラトニンは加齢とともに減少してきます。寝付けない、眠りが浅いという人は日中、太陽光を浴びる習慣をつけるとよいでしょう
●就寝前デジタルデトックス
パソコンやスマホ、テレビなどの画面から放たれる光は可視光線の中でエネルギーが強く、体内時計はまだ昼間と思い込み、メラトニンの分泌を抑制。 せめて週に1日は、就寝前2時間程度はパソコンなどを見ない日を設けて。
●スーパーへは早めの時間に
夜でもひときわ明るいスーパーやコンビニの照明。 夜買い物に行くと、パソ コンやスマホの場合と同様に、メラトニンの分泌が減る可能性が。 スーパーなどへの買い物はなるべく日が落ちる前に済ませましょう。
●夜間に働く人やシフトワークの人の体内時計対策
夜勤明けで朝帰宅する人はサングラスを着用して太陽の光を目に入れないようにするといいでしょう。 シフトワークの場合、次の仕事の時間に合わせて最初の食事をとると、体内時計の狂いを回避しやすくなります。
●便利な光で起こす目覚まし時計
太陽光に近い光がだんだんと明るくなり、朝日が差し込んできたように目覚められる”光目覚まし時計”が販売されています。 従来の目覚まし時計の大きい音が苦手な人は試してみては。
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