減塩するとこんないいこと
減塩できてる?塩分摂りすぎていませんか?
大人の体内の塩分量は、体重の約0.15% で、神経の刺激伝達や細胞外液の浸透圧の維持など重要な働きをしています。
大事な塩分ですが、日本人の塩分摂取量は世界的に見ても多いほうです。
国が推奨する1日の塩分摂取量は、
健康な男性8.0g未満
女性 7.0g未満
(高血圧の人は男女とも6.0g未満)
であるのに対し、 実際の塩分摂取量の平均は
男性10.8g
女性 9.2g
と、約2~3 gの過剰摂取となっています。
減塩で高血圧や脳卒中などを予防
塩分を摂り過ぎると血圧が上昇することは、さまざまな研究で明らかになっています。
高血圧は脳卒中や心筋梗塞など重大な合併症を引き起こします。
減塩は高血圧の予防・改善に役立ち、こうした合併症の予防にもつながります。
減塩で胃がんのリスクを低下
塩分の摂取量が多いと、胃の表面を保護している粘膜が壊されて胃の炎症が進み、がんができやすい環境をつくることがわかっています。
そのため、 減塩は胃がんの予防に有効であるとされています。
調味料で押さえる減塩ポイントさしすせそ
減塩ポイント【さ】砂糖も一緒に減らそう
塩味と甘味のバランスがおいしさを左右する煮物などは、塩だけを減らすと甘味を強く感じる料理 になってしまいます。
塩だけでなく、 砂糖も一緒に減らしましょう。 そうすることで素材の味も生きてきます。
減塩ポイント【し】塩(ナトリウム)の表示に気を付けて
加工食品を手に取ったら、 どれくらいの量の塩分が含まれているかを確認しましょう。
塩分の表記の仕方には「食塩相当量 (g) 」 と 「ナトリウム(mg)」があります。
ナトリウム約400mgが、塩分1gに相当します。
減塩ポイント【す】酢・香辛料・香味野菜で味にアクセント
減塩をすると味が薄くなり満足感が得られないことがあります。
塩の代わりに酢を使うと、酸味のさわやかさで味の薄さを感じにくくなります。
だしの風味や香辛料、香味野菜の独特の香りなども味に変化をつけ、おいしく食べられます。
減塩ポイント【せ】醤油もソースも使い方次第
同量のしょうゆと比べてソースの塩分量は半分なので、料理によってはしょうゆの代わりにソースを使うのも良い方法。
ただし、“トンカツにソースをたっぷり” では減塩にはなりません。
何であれ、かけ過ぎない、つけ過ぎないことが大事です。
減塩ポイント【そ】味噌汁は具だくさんで
塩分が多く含まれる味噌汁は、 具だくさんにすることで汁の量が減り、 お椀1 杯に含まれる塩分量も減ります。
具には油揚げやキノコ類、玉ネギなどがおすすめ。 これらをだしで煮て、旨味を引き出してから味噌で調味を。
こんな生活していませんか
気付かないうちに塩分を多く摂っていることがあります。食生活を振り返ってみましょう。
注意!麺類の汁は残さず飲む
かけそばに含まれる塩分量は約3.9g、 かけうどんは約4.5g、ちゃんぽんは約4.5g。
汁や麺を全部平らげてしまうと、 推奨される1日の塩分摂取量の約半分を摂ってしまうことに。
注意!自炊より外食が多い
外食は一般的に味が濃く、多くの塩分が含まれています。
また、ボリュームを出すために油脂が多用され、高カロリー。 丼物などの一品料理は野菜類が少ないのが欠点です。
注意!野菜をあまり食べない
野菜をあまり食べないと、塩分を排泄する働きがあるカリウムや食物繊維を十分に摂ることができません。強い抗酸化作用があり、血管をしなやかに保つビタミンCも不足気味になります。
注意!濃い味の料理が好き
ご飯がもりもり進むようなガツンとした濃い味が好きという人は、少なくありません。しかし、味付けが濃いということは、料理に 使われる塩分濃度が高いことを意味しているので要注意。
注意!加工食品をよく食べる
家庭で作る料理よりも、 加工食品から摂取する塩分のほうが多いといわれます。 製品や加工肉 魚の干物などには思いのほか多くの塩分が含まれています。
減塩生活のおいしい工夫
減塩は続けてこそ、その効果が得られます。そのために心がけたい3つの工夫をご紹介。
① 食材の工夫:おいしい減塩食のカギとなるのが食材です
● 旬の新鮮な素材を使う
旬とは、その素材の旨味や香りがピークの時期。しかも新鮮であれば、旨味や香りは保たれたまま。 これらを上手に活かせば、減塩してもおいしい料理ができあがります。
● 減塩調味料を利用
最近は、 食材の持ち味やだしの旨味を活かした、おいしい減塩調味料が多く出回っています。 ただし多量に使うと、 結果的に多くの塩分を摂取してしまうことになるので気をつけて。
● 加工品や塩蔵品は控えめに
ほとんどの加工食品や塩蔵品には 相当量の食塩が使われているので、利用はほどほどに。 利用するときは 減塩のものを選んだり、調理に使用する食塩を減らしたりしましょう。
● 海藻や野菜をたっぷりと
海藻や野菜はカリウムや食物繊維が豊富。 カリウムには、ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制し、 尿中への排泄を促して血圧を下げる作用が。 食物繊維もナトリウムを排泄します。高血圧の治療中の方、腎臓病や心臓病のある方は生鮮 野菜や海藻の摂取について医師に相談しましょう。
● うす口しょうゆ、ウスターソースの落とし穴
うす口しょうゆというと塩分が少ない印象がありますが、 実際には濃口しょうゆよりも塩分量はやや大。 ウスターソースも、ドロッとした中濃や濃厚ソースよりも多くの塩分を含んでいます。
● 塩の種類によってつまむ量に違いが
同じようにつまんでも、塩の種類によって分量が異なります。例えば、粒の大きい岩塩や水分を多く含む粗塩は食塩の約2倍、粒の細かい塩の約4倍多い分量に。こうした塩を使うときは要注意。
② 調理の工夫:調理法を変えることでおいしさがグッとアップ
● だしを取る
こんぶやかつお節でおいしいだしを取りましょう。 だしの旨味や香りには、塩味が薄くても、 おい しく感じさせる効果があります。 また、 しょうゆをだしで割って使うのもおすすめ。
● 味付けは最後に
食塩や調味だれは調理の最後にさっと加えれば、少量で濃い味を感じることができます。 煮物や照り焼きなどの場合、 料理ができあがる直前に調味して、さっと煮からめましょう。
● 塩分を計ってみる
「塩少々」 とは親指と人差し指の2本で軽くつまんだ量で一般的には約 0.2g、 「塩1つまみ」 は親指と人差し指、中指の3本でつまんだ量で約 0.5g。 個人のクセもあるので、一度計ってみましょう。
● 献立にメリハリを
すべての料理を減塩にして薄味にすると、 食事が味気なく感じてしまいがち。 自分の好きな料理は味付けを変えずに、 ほかの料理で減塩するなど、 料理全体で味のメリハリをつけましょう。
● 浅い汁椀にかえる
口径が狭くて深い汁椀よりも、広くて浅い汁椀のほうが容量が小さいので、自ずと塩分量が少なくなります。 具だくさんの汁にすれば、さらに塩分量を減らすことができます。
● 魚は “煮る” より “焼く”
調理法を変えるだけで減塩になることも。 例えば同じ分量の魚でも、煮るよりも、表面だけに味を付ける照り焼きにしたほうが、さらにユズやカボスを使った幽庵焼きにしたほうが減塩になります。
③ 食べ方の工夫:食べ方を間違えるとせっかくの減塩が台無しに
● 麺類の汁を残す
麺類の汁をたまには全部残してみましょう。いつも全部飲んでいる人は、まずは少量残すところから 始めてもよいでしょう。ラーメンの汁を半分残すことができれば、それだけで約 2.8gの減塩に。
● ソースはかけ足さない
最初はわずかしかソースをかけなくても、あとでかけ足すと、 減塩どころか、時には過剰になることも。 使う分量を計ってから料理にかけたり、 小血や小鉢に注いで出しましょう。
● 食卓に調味料を置かない
ソースやしょうゆをかけ足さないために、いっそ食卓に調味料を置かないようにしてみては。 まずは調味料を置かない日をつくり、 その調味料が本当に必要か、 確認するとよいでしょう。
● スナック菓子・おつまみに注意
三度の食事で減塩しても、おつまみやスナック菓子をたくさん食べていてはダメ。 特にお酒のつまみとして人気のあるメニューは濃い味付けのものが多いので、控えめにしましょう。
引用文献:classA Life