数字でわかる!体と水
体と水の関係にまつわる数字を集めてみました。 熱中症や水分補給のヒントにもなる数字です。
60%→成人男性は体重の約60%が水分
人間が生命をするうえで、水はとともに重要な物質です。 水は血液やリンパ液などの体液の主成分で、 成人男性では体重の約60%、 高齢者は約50%を占めています。
2.5L→毎日、 2.5Lの水分が体外へ
1日に体から失われる水分量はおよそ2.5Lです。 そのうち、汗として体外へ出る量は約2.2L。残りの約0.3Lは不感蒸泄(ふかんじょうせつ)とよばれる、呼吸や皮膚から意識せずに失われる水分です。
2%→体重の2%の脱水で症状が
水分の摂取量より排出量が多くなると脱水症になります。 体重の1~2%の水分を失うと軽度の脱水症がみられ、2%以上になると、人によってはめまいやふらつきなどの症状が現れることも。
1~1.5L→1日1~1.5Lを目安に
毎日体外に排泄される約 2.5Lの水分をしないと体内は水分不足に。通常、 体内で作られる代謝水が約0.3L、食事から約1L補えるので、残りの1~1.5Lを飲料水で補給する必要があります。
2回→特に注意すべきは年2回
脱水症は夏に起こるものという印象が強いですが、夏以外にもう一つピークがあります。 それは寒い乾燥した時期で、風邪やインフルエンザなどが原因の発熱や下痢などによる脱水症です。
覚えておこう、脱水のサイン
軽い脱水症状であれば水分補給で回復できます。早めに脱水に気づくことが大切です。
体調が悪い
体調がなんとなく悪い、集中力がない、体がだるい、口の中がネバネバする、頭が重いなど、 いつもと違った症状があるときは、脱水症が始まっている可能性があります。
尿の色が濃い
通常は淡い黄色をしています。ところが体内の水分が減ると、尿を作る働きをする腎臓で水の再吸収が促進されるため、濃い黄色の尿になります。 起床時の尿が濃いのもこのため。
喉が渇く
生命の維持に関わる水分の減少は人体にとって危機です。 危機を感じとった体は鳴らして私たちに知らせます。その一つが喉の渇きです。 体が発するを無視してはいけません。
高齢者と子どもは特に注意
高齢者は喉の渇きを感じにくく、また夜間トイレに起きないように水分摂取を控える傾向もあるため、 脱水症になりやすくなります。 子どもは運動などに夢中になると水分補給を忘れがちに。
習慣づけたい水分補給と暑さ対策
この夏、海へ山へといろいろなレジャー計画を立てている方も多いのでは。 レジャーを楽しむあまり、水分補給を忘れたり、暑さ対策を怠ると熱中症の危険が高まります。 この2つをしっかり押さえて夏をアクティブに過ごしましょう。
水分補給
①起きがけ、寝る前、 トイレに行ったあとは忘れずに
睡眠中は水分を摂取できません。しかし、寝ている間も発汗したり呼気から水分を失ったりするので、 睡眠中や起床時は脱水気味。 また、 排尿により水分は体外へ。 起きがけ、 寝る前、トイレに行ったあとは忘れずに コップ1杯の水を。
②水筒やペットボトルを持ち歩く
身近なところに飲料水を置いておけば、こまめに水分をとりやすくなります。 外出時、 水筒やペットボトルを持ち歩けば、たとえ自販機が見当たらないような場所に行っても、 いつでも水分を補給することができます。
③野菜や果物を多くとる
夏が旬のキュウリやスイカ、トマトなどの野菜やモモやナシ、ブドウなどの果物は水分をたっぷり含んでいます。 夏は発汗量が増えるので、 これらの食材を積極的にとり入れるとよいでしょう。 脱水防止に役立ちます。
④入浴の前後にコップ1杯
入浴により体が温まると新陳代謝が活発になり、発汗が促されます。 1回の入浴で出る汗の量は、 約200~300 mLといわれています。 入浴の前後にコップ1杯の水を飲み、 汗となって体外へ出ていく水分を補いましょう。
⑤運動時はこまめに補給
かつて運動中は水分をとらないほうがよいとされていましたが、 今ではその考えは完全に否定されています。 むしろ発汗量が通常以上に増える分、 より積極的にとる必要があります。 こまめな水分補給を心がけましょう。
暑さ対策
①気温と湿度に注意しよう
気温が上がると末梢血管の血液量が増え、皮膚から熱を逃がします。また、汗が蒸発するときの気化熱で体温が下がります。 高温多湿だと汗が蒸発しにくくなり、熱の放出が不十分となるため、体温を下げられなくなり熱中症のリスクが高まります。
②室内を涼しく
熱中症の発生場所の第1位は屋外ではなく室内で約37%を占めています。窓にすだれやカーテンなどをかけて直射日光を遮ったり、エアコンと扇風機を併用したりして室温を28℃以下、温度を70%以下に保つようにしましょう。
③通気性のよい衣服を選ぼう
衣服の中や体の表面を風が通ると、 体から出る熱や汗が逃げやすくなります。元や袖口があいたゆったりしたデザイン、吸汗性・速乾性の高い素材の衣服を選びましょう。 色は光を吸収する黒系よりも光を反射する白系がお勧め。
④日差しをよけよう
日なたでは頭上からの日射に加え、 面からの放射熱により体感温度が上がります。 日陰を選んで歩けば日射や路面からの放射熱を減らすことができます。 また、日傘や帽子で自分の周りに日陰を作るのも有効です。
⑤暑さに慣らして建物の外へ
冷房が効いた屋内から気温の高い屋外に出ると血管が拡張し、血圧が下がって頭がクラクラするなど、 貧血症状を起こすことがあります。 エントランスなどで体を少し暑さに慣らしてから建物の外に出るとよいでしょう。
水分補給のポイント
水分があれば何でも良いというわけではありません。水分補給に適した飲料を選ぶことが大切です。
お酒は水分補給に不向き
お酒を飲むとトイレが近くなります。 これはお酒に利尿作用があるから。このときの尿は、飲んだお酒の水分が吸収されたものではなく、主に血液中の水分です。そのため体内では、お酒を飲む前よりもむしろ脱水が進みます。
カフェインが少ない飲料を選ぼう
コーヒーや紅茶、お茶などに、 多く含まれるカフェインもお酒と同じように利尿作用があります。 番茶や玄米茶などの低カフェイン飲料や、麦茶やそば茶、甜茶 杜仲茶、ルイボスティーなど、ノンカフェインのものを選びましょう。
塩分と水だけでは吸収率が低下
激しい運動をしたりして大量に汗をかくと、 水分だけでなく塩分も失われます。 その場合は水分に加え、塩分の補給も必要です。ただしこれら2つだけでは吸収は進みません。 糖分 (ブドウ糖) も一緒にとることで吸収率が高まります。
正しい水分補給の基本
①喉が渇く前に
喉の渇きは体が脱水を知らせる危険信号です。 したがって、 喉の渇きを覚えたときは、すでに脱水が始まっているといえます。 渇きを感じてから飲むのではなく、渇きを感じる前に水分をとることが脱水防止につながります。
②少量をこまめに
水分は腸で、一定速度で吸収されます。 一度にたくさんの水分を摂取しても腸で吸収できず、水分は胃内にとどまります。 通常は2口ぐらい (100mL程度)を30分に1回、運動時は 100~150mLを20分に1回を目安に飲むとよいでしょう。
③規則正しい食事を
3食きちんと食事をすると、約 1Lの水分を食事からとることができます。 食が細かったり、 ダイエットなどで食事を制限したりすると栄養不足になるばかりか、食事からとる水分量も少なくなります。 特に朝食はしっかりとりましょう。
手作りで水分補給
①軽度~中等度の脱水に経口補水液
軽度から中等度の脱水状態の水分補給に適しているのが経口補水液です。 市販品もありますが、水1Lに食塩小さじ1/3 杯、砂糖大さじ4と1/2杯で作ることができます。
②プルンとおいしい水ゼリー
水 (できればミネラルウオーター) 200mLを鍋に入れて火にかけ、80℃ほどになったらふやかしたゼラチン3gを溶かします。 熱が取れたら容器に入れ て冷蔵庫で固めます。
③深部体温を冷やすアイススラリー
スラリーとは液状の氷のこと。 体を芯から冷やすことができます。 スポーツドリンクを凍らせてミキサーで砕くだけ。なお、 水だけで作るとクラッシュアイスになり、液状になりません。
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引用
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