「体を温めると元気になる」 と聞いたことはありませんか? その理由を一言でいえば、血液の流れがよくなるからです。体を温める温熱効果により末梢血管が拡張して血流が改善され、健康効果が期待できます。体を温めるには、運動と食事が重要です。体をしっかり温めて、今年も1年元気に過ごしましょう。
体ぽかぽかの健康効果
栄養が行きわたる
血液の流れがよくなることで、内臓や筋肉、肌、頭皮など、体全体への酸素や栄養素の供給が促されます。
老廃物の排泄促進
老廃物を運び出すのも血液の役割です。血流がよくなると、肝臓や腎臓など内臓の働きが活発になって老廃物排泄作用が高まり、体に不要なものを追い出します。
免疫力アップ
栄養が行き届き、老廃物が排泄されると、疲労回復や病気予防につながります。また、体が温まることで白血球などの免疫機能が高まります。
脂肪の燃焼促進
体が温まって血流がよくなり、体全体への酸素や栄養素の供給と老廃物の排泄が促されると、脂肪が燃焼しやすくなり、余分な脂肪の蓄積を抑えます。
体ぽかぽかのポイント
ぽかぽか食材代表格・ショウガ
体を温める食材としてよく知られるショウガですが、生のままよりも加熱して使うことがポイントです。加熱すると、ショウガオールという体を温める成分が増えて、温め効果がより高くなります。
“熱”の元はたんぱく質
熱の元となる食べ物の中でも、たんぱく質は効率よく体を温めます。たんぱく質は筋肉を作る元で もあります。1日に生み出す熱の6割は筋肉が作っていて、筋肉の衰えは冷えにつながります。脂身の少ない鶏肉や、羊肉、牛肉がおすすめ。
冬が旬の根菜
冬が旬の根菜には、体を温めるものが多いといわれています。その理由は、ビタミンC・Eなどのビタミン類や、カリウム・マグネシウムなどのミネラルが多いこと。これらのビタミンやミネラルは食物の消化・吸収・代謝にも重要です。
薬味で血めぐり改善
ネギ、ニンニク、ショウガといった薬味類には、体を温める効果があります。ネギやニンニクに含まれる 「硫化アリル」 という辛味成分は、新陳代謝を高めて体を温めます。また、硫化アリルには血液サラサラ効果もあります。
体ぽかぽかの食講座
ちょっと意識するだけで、いつもの食事が体を温める食事に代わります。毎日の元気のために、ぽかぽか食を始めましょう。
食材を知ろう!体を温める食べ物
食べ物で体を温めるには、食材選びも重要です。
体を温める食材と冷やす食材
東洋医学の考え方に基づくと、体を温める「温性」の食材と体を冷やす「冷性」の食材があります。さまざまな分け方がありますが次の分類を目安に食材選びをしてみては。
【体を温める食材】
地中で育つ植物:ショウガ、ネギ、ニンニク、玉ネギ
冬が旬のもの:シャケ、サバ、イワシ、フグ
日干し・発酵・塩漬けしたもの:干し椎茸、納豆、みそ
白・精製してないもの:麹、天然塩、黒砂糖
【体を冷やす食材】
地面の上に出ている植物:ホウレンソウ、空心菜、小松菜
夏が旬のもの:スイカ、トマト、キュウリ、ゴーヤ
精製加工品:小麦、精製塩、 白砂糖、化学調味料
注目のぽかぽか食材
体を温める数ある食材の中から、注目したいぽかぽか食材をご紹介します。 食べ過ぎ、偏食は逆効果です。バランスを考えながら取り入れましょう。
【大豆】大豆はたんぱく質が豊富で、 女性ホルモン様作用をもつイソフラボンも多く含んでいます。大豆などのたんぱく質は食事で消費するエネルギー「食事誘導性熱産生(DIT)」が高く、効率よく体を温めます。
【青魚】サバやイワシなどの青魚は、 血液をサラサラにして、流れをよくする DHAやEPAが豊富です。また、DHA、 EPAは、脂肪燃焼を促進することで熱 エネルギー量を増やし、冷えの改善が期待できます。
【みかん】みかんはビタミンCが豊富で、実の周りの白い皮やスジには、毛細血管を強化するヘスペリジンなどの成分が含まれています。みかんを食べるときは、皮ごと食べることをおすすめします。
【カボチャ】・・・カボチャの栄養価の高さは野菜の中でもトップクラスです。中でも注目したいのがβカロテン。βカロテンは体内でビタミンAとなり、皮膚、粘膜や目の網膜を健康に保ちます。風邪の予防にも効果的です。
食習慣を見直そう!ぽかぽか食のヒント
当たり前になっている食習慣。その中に、冷えにつながる習慣があるかもしれません。
朝、昼、夜のポイント
同じ食事でも、時間帯によって注意したい事が違います。
朝食で体温、代謝のスイッチオン
代謝も体温も最も低い1日の始まりには、 温かく消化のよいもの、そして熱を作るたんぱく質を摂りましょう。納豆や卵なら忙しい朝でも手軽に食べられます。朝食を食べる習慣のない人は、スープなど温かい物を飲むだけでも。
薬味を加えて胃腸の働きを促進
昼は麺類や丼ものよりも、栄養バランスのよい定食などがおすすめ。また、薬味を加えて胃腸の働きを促進しましょう。温め効果のあるショウガやネギなどの薬味を取り入れると、冬だけでなく、夏の冷房による冷え対策にもなります。
夕食はリラックスして
夕食は1日の疲れを癒す食事です。ゆっくりリラックスして楽しみましょう。冷えには、疲れや精神的ストレスの影響も大きいため、 リラックスする時間も大切です。冬は温かい湯豆腐や鍋料理などがおすすめです。
夜間の食事は控えめに
夜間は活動量が減るため、 あまりエネルギーを消費しません。内臓を休めるためにも、夜はエネルギー源となる炭水化物や消化に時間のかかる脂質が多い食事を避けましょう。
しっかり噛んで胃腸にやさしく
胃腸が弱っていると、体は熱エネルギーをうまく作れなくなります。胃腸にかかる負担を減らすためにも、よく噛むことが大切です。よく噛むことで唾液の分泌がよくなって消化を助け、食べ過ぎを防ぐことにもつながります。
ひと工夫しよう!簡単ぽかぽか調理術
調理の工夫で体はもっとぽかぽかに。ちょっとひと手間加えてみましょう。
とろみをつけて保温性アップ
体を温めるには、食べる物自体が温かいことも重要です。とろみをつけると保温性が上がり、冷めにくくなります。片栗粉を上手に活用しましょう。とろみがあると味を感じやすくなるので、薄味調理でもおいしく食べられるというメリットも。
体を温める薬味をプラス
香辛料の多くは体を温める働きがあります。代表的なものはカレー粉やシナモンです。また、唐辛子と比べて胃腸に負担が少なく、温め効果のある山椒もおすすめです。七味唐辛子の代わりにぜひ山椒を試してみてください。
体を冷やす野菜は加熱しよう
体を冷やすとされる食材でも、熱を加えることでその作用が弱まります。健康のためにたくさん食べたい野菜は加熱して食べましょう。スープの具材や蒸し野菜にすれば、かさが減って量もたくさん食べられます。
心も体も温めよう!ぽかぽかジンジャードリンク
温かい飲み物は、体を温め、さらにリラックス効果も。
黒糖ジンジャーシロップ
手作りのジンジャーシロップがあれば、お湯で割って飲んだり、他の飲み物に加えたり、冬のホットドリンクのバリエーションが広がります。
【調理時間】15分
【エネルギー】約340kcal (全量)
【材料(作りやすい量)】
ショウガ・・・・100g
水・・・・1カップ
黒糖・・・50g
ハチミツ・・・大さじ2
【作り方】
ショウガを皮ごとすりおろし、水を加えて10分ほど煮たら、ガーゼなどでこし、黒糖とハチミツを加えてひと煮立ちさせる。冷蔵庫で2週間ほど保存が可能。
黒糖ジンジャーレモン
お湯で割るだけなので、低カロリー。手軽に温まりたいときに。
【エネルギー】約40kcal (1杯分)
【材料(1杯分)】
黒糖ジンジャーシロップ・・・大さじ2
湯…180ml
レモンの輪切り・・・1枚
【作り方】
カップにシロップを入れて湯を注ぎ、レモンの輪切りを浮かべる。
Keep on smiling!
管理栄養士による「食」に関するinstagramもチェック!!
引用
classA Life