薬剤師が勧める『自分のカラダを見直そう!』

薬剤師コラム

日本人の平均寿命は延び続け、今や男女とも世界トップクラス。一方、健康で活動的に過ごせる健康寿命は、平均寿命よりも男性で約9年、女性で約12年短いという現状が。この年数の差は、健康上の問題があり日常生活に支障のある期間を指します。最後まで元気にいきいきと過ごすには、健康寿命をできるだけ延ばし、この差を縮めることが大切。それには生活習慣を見直し、問題があればリセットすることが欠かせません。まずは体の総点検から始めましょう。

年の初めは健康始め

各項目であてはまるものが1つでもあれば、後述の対策を始めてみましょう。

●運動

①2階へ行くときもエレベーターを使う
②仕事中のほとんどを座って過ごす
③片足立ちで靴下がはけない
④家の中でつまずいたり、すべったりする
⑤階段を上がるのに手すりを使ってしまう
⑥家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用や布団の上げ下ろしなど)
⑦15分くらい続けて歩けない

●食事

①食事をとる時刻が毎日バラバラ
②食事をよく抜く
③カップ麺を食べる機会が多い
④甘い味付けが好き
⑤脂っこい料理が大好物
⑥満足するまで食べる
⑦早食いである
⑧野菜は嫌いなのであまり食べない
⑨間食が多い
⑩飲み過ぎ、または休肝日がない
⑪麺類とご飯など炭水化物の重ね食いが多い

●睡眠

①日中なんとなく眠い
②夜中に何度も目が覚める
③朝すっきりと起きられない
④一晩中うつらうつらして眠った感じがしない
⑤床に入ってもなかなか眠れない

●疲れ

①毎日忙しく、休みがない
②何もやる気が起こらない
③いつもイライラしている
④何をしても楽しいと思わない
⑤体や気分の疲れでグッタリすることがある
⑥家族や友人と話をするのが嫌だと感じることがある
⑦なんとなく不安な気分に襲われる

●脳

①ついさっきのことが思い出 せない
②手順、段取りが悪くなった
③同じことを何度も話したり聞いたりする
④人に会う約束や通院の予定を忘れる
⑤いつも探し物をしている

できることから始めよう!健康四字熟語

誰もが知っている四字熟語をもじって健康にまつわる四字熟語を作ってみました。併せて、「運動」「食事」「睡眠」「疲れ」「脳」の 5つの領域でぜひ実践したいことをご紹介。

●運動:一身動体(いっしんどうたい) 

日々の生活の中で大いに体を動かして活動量をできるだけ増やすこと。

①ラジオ体操やテレビ体操をする

インストラクターの指示に従って体を動かせるのがラジオ体操やテレビ体操の良さ。毎日同じ時間に放送されるので習慣化しやすいという特長も。

②室内でできる運動も習慣化する

天気が悪くて戸外での運動が難しいときのために、スクワット、ステップ運動など、室内でできる運動も習慣化。汗をすぐにシャワーで流せるメリットも。

③「ながら運動」を取り入れる

歯を磨きながら足のかかとを上下させる、腕を伸ばして体を左右に動かしながら窓を拭くといった「ながら運動」を日常生活の中に上手に取り入れましょう。

④積極的に階段を使う

階段の上り下りは平らな場所を歩くよりも運動量がアップ。階段を上がるときに足を引き上げるので、腰回りや太ももの筋力強化も期待できます。

⑤スーパーなどでは全通路を歩き回る

スーパーなどに買い物に行ったら、全通路を歩き回って歩数を増やしましょう。時には思いがけない掘り出しものや、お得な商品が見つかることも。

●食事:菜食健備(さいしょくけんび)

野菜をたくさん使った食事をすれば健康が備わるということ。

①1日両手3杯分の野菜を食べる

1日350gの野菜を摂りましょう。生野菜なら両手3杯分、ゆでた野菜は片手で3杯分が目安 です。一度に摂るのではなく、できれば3食に分けて摂りましょう。

②魚を積極的に食べる

サバやサンマ、イワシなどの青魚には、中性脂肪を低下させ、動脈硬化を予防する働きのあるDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。

③塩分を摂りすぎないようにする

塩分の摂りすぎは高血圧の原因に。1日の塩分摂取量は男性8g未満、 女性7g未満が目標で す。高血圧の人は男女とも6g未満に抑えましょう。

④食材の種類を多くする

例えばみそ汁なら、豆腐とわかめだけよりも、 えのき茸やダイコンも加えるなど、具材の種類の多いほうが、さまざまな栄養を摂り入れることができます。

⑤ゆっくりよく噛んで食べる

よく噛まないで食べると満腹感を得にくいため食べ過ぎに。根菜や干物などの歯ごたえのある食材を選んだり、 一口食べたら箸を置くなどの工夫を。

●睡眠:全力投休(ぜんりょくとうきゅう)

健康維持のために、さまざまな工夫をしてぐっすり眠ること。

①心地よく眠れる 環境づくり

寝床が冷たい場合は暖めて。乾燥している場合は加湿を。エアコンの室外機の音などは睡眠の妨げに。物音が気にならないような環境づくりも大切です。

②睡眠時間にこだわらない

必要な睡眠時間は一人ひとりの体質やライフスタイル、年齢などにより異なります。朝すっきり目覚められ、日中元気に活動できるかが適した睡眠時間の目安です。

③朝起きたら太陽の光を浴びる

私たちの体には活動期と休息期のリズムがあります。朝起きたら光をたっぷり浴び、体内のリズムを休息期から活動期へ切り替えましょう。

④寝る前のスマホや パソコンは控える

寝る前に携帯電話の画面や、パソコン、テレビなどを集中して見ると、 頭がさえて寝つきが悪くなってしまいます。眠りにつく前は頭を休めましょう。

⑤昼寝は午後3時前に、短めに

昼間眠いときは昼寝が おすすめ。ただし、長い時間昼寝をすると、夜の寝つきが悪くなります。昼寝は午後3時までに、時間は30分以内にとどめましょう。

●疲れ:疲労根廃(ひろうこんぱい)

健康に悪い影響を及ぼす心身の疲れを根本からとり除く事。

①自分の時間・ 趣味を楽しむ

自分の時間を持ったり、 趣味を楽しんだりしているとき、心は緊張から解き放たれリラックスします。適度な気分転換や休養でストレス解消に努めましょう。

②大いに笑う

笑いにはストレス解消やリフレッシュ効果以外にも、免疫機能のアップや痛みの緩和などの効果があるといわれます。作り笑いでも笑いの効果は期待できます。

③筋弛緩法で肩の力を抜く

両肩を上げて20秒間力を入れ、ストンと一気に力を抜き、体がほぐれるのを15~20秒間感じま す。筋肉を緊張、弛緩させることで、体の緊張が和らぎます。

④熱めの湯で交感神経を活発に

42℃前後の熱めの湯は交感神経を活発にし、新陳代謝を促進。 疲労物質が排出されます。ただし、寝る直前は寝付きが悪くなるのでぬるめがおすすめ。

⑤腹式呼吸でリラックス

お腹に手を当て、体の力を抜いて、お腹をへこます感じで口からゆっ くり長く息を吐きます。 吐き切ったらお腹を膨らませるイメージで鼻から息を吸います。

●脳:用意秀頭(よういしゅうとう)

常に頭を使い、脳を活性化させる事が脳の健康維持につながる。

①料理を作る

料理を作るには、献立を考える、材料をそろえる、下ごしらえをする、調理する、盛り付けるなど、いくつもの手順が必要なため、脳はフル回転。

②すごろくをする

サイコロを振ったり、 駒を動かしたり、出た目の数を合計したり、 マスに書かれた指示を理解したりと、すごろくには脳を活性化させる要素が盛りだくさん。

③人と積極的に会話をする

相手の話を理解する、 相手の感情をくみ取る、言葉を選んで口から発するなど、さまざまなことを同時に処理しなければならない会話は脳を強く活性化。

④旅行の計画を立てる

行きたい場所をリストアップし、回る順番を決め、どういう交通機関を利用するかを考えます。前向きに取り組んでいるとき、脳の働きは活発になります。

⑤親指体操をする

手の指には多くの神経が通っていて、脳と密接に関わっています。親指の腹を、小指の腹、薬指の腹・・・と順番にタッチ。 気づいたときにやりましょう。

年の初めは

●禁煙のグッドタイミング

喫煙を続けているとニコチンへの依存性が高まり、禁煙には強い決意が必要になります。しかし何かがきっかけとなり、禁煙に成功することが多くあります。例えば、子どもが生まれたときや結婚記念日など。年の初めも禁煙するのによいタイミングです。

●”ほどほど”の飲酒が百薬の長

大量の飲酒の習慣は、がんをはじめ高血圧や脳出血などのリスクを高めます。1日に日本酒なら1合程度、ビールなら中びん1本 程度、焼酎なら0.6合、ワインならグラス2 杯程度にとどめましょう。酒席が多くなるこの時期、特に注意を。

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引用

“引用文献:classA Life”
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