
女性は激しいホルモンの波の影響を受けながら生きています。社会での女性の活躍が期待される昨今、女性の健康について女性自身が学ぶことはもちろん、男性の理解や支援も欠かせません。
女性の健康に大きく関わる女性ホルモンとは

そもそも「ホルモン」とは
体の健康維持のためにさまざまな機能を調節する、いわば潤滑油のようなもので、 全身の様々な部位でつくられています。 100種類以上のホルモンが体内でつくられています。
女性ホルモンは2種類
卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン) の2種類があります。月経(生理)、妊娠、出産、女性らしい丸みを帯びた体つきをつくるなど、さまざまな働きをしています。
女性のライフステージと女性ホルモン
思春期から妊娠・出産を経験する性成熟期、閉経前後の更年期、そして更年期後の老年期に至るまで、女性ホルモンは女性の一生に深く関わっています。
① 健康の土台をつくる「思春期」
成長期に元気な骨をつくるために必要な栄養をとり、最大骨量(ピークボーンマス)を高めること が、将来の健康のためにも大切。月経が始まりますが、まだ不安定。月経やおりものの仕組みを正しく理解しましょう。分からないことは婦人科に相談。
※月経開始:平均12.2歳
② ライフイベントが多い「性成熟期」
妊娠中、子宮は胎児の成長とともに大きくなり、乳腺も発達。産後、こうした変化は徐々に元に戻ります。月経に関するトラブル(月経困難症、 PMSなど)や、子宮内膜症、子宮頸がんなど子宮の病気が増加。
※PMS=月経前症候群:月経開始前の3~10日間続く精神的(気分の落ち込みなど)あるいは身体的(便秘や肌荒れなど)な不調で、月経開始とともに減弱あるいは消失する
※第1子妊娠:平均30.7歳
③ さまざまな体調の変化がある「更年期」
卵巣の機能が低下し、エストロゲンが激減。 ホルモンのバランスが崩れ、さまざまな不定愁訴が現れることが。血中のコレステロールを調整するエストロゲンの減少や内臓脂肪の増加で、脂質異常症や動脈硬化の危険が、糖尿病や高血圧のリスクも増加。
※閉経:平均50歳
④ 気を付けていきいき「老年期」
筋肉量が減少し、筋力も低下していきます。歩行能カやバランス能力が衰え、転倒しやすくなります。
女性ホルモンの減少とともに骨量(密度)の減少が顧著になり、骨粗しょう症のリスクが高まります。転倒により骨折することも。
※平均健康寿命:74.8歳
※平均寿命:87.7歳
やせすぎ”は将来にも悪影響
やせすぎる (BMI=18.5未満)と月経が止まったり、体温が低くなって疲れやすくなったりします。将来、不妊や骨粗しょう症を招く危険も。やせすぎの母親から生まれた子どもが成人すると生活習慣病のリスクが高まるとの報告も。
自分の体をつくる食事

健康な体は日々の食事からつくられます。特に女性の健康のための食事の基本情報を紹介。
バランスの良い食事って何?
主食、主菜を1日3食とることが基本、朝食抜きはNG。赤(赤い野菜、肉等)、白(牛乳、白ゴマ等)、黄色(味噌、カボチャ等)、緑(緑の野菜等)、黒(黒ゴマ、海藻等) などというように、いろいろな色の食材を取り入れて。
筋肉をつくるたんぱく質をとろう
筋肉をつくるために欠かせないのがたんぱく質。肉、魚、 乳製品、大豆などの良質のたんぱく質食品を積極的にとりましょう。動物性と植物性のたんぱく質を組み合わせるとたんぱく質の吸収率がアップ。
骨のためにカルシウム、ビタミンDをとろう
カルシウムは、骨が育つ成長期から骨が減ってくる高齢者まで、しっかりとらなければならない栄要素です。小魚、鮭、キクラゲなどに含まれるビタミンDはカルシウムの吸収を助けるので併せて摂取しましょう。適度な日光浴でビタミンDを生成しましょう。
妊活中、妊娠中の女性と高齢者は葉酸をとろう
葉酸は、不足すると胎児が神経管閉障害になる危険が高まります。また、認知症予防に役立つとの報告も。妊娠を計画している人や妊娠中の人、高齢者は緑黄色野菜や焼きのりなどに含まれる葉酸を積極的にとって。
エストロゲンと似た働きをするエクオールって何?
エストロゲンに似た構造で、 エストロゲンのように働くとの報告が。大豆イソフラボンの一種が腸内細菌によってエクオールに変化。ただし、体内でつくれない人もいます。つくれるか、つくれないかが分かる検査キットもあります。 摂取は大豆食品やサプリで。
元気で動ける体をつくる運動

元気な体に運動は欠かせません。筋肉や骨を強化していつまでも動ける体を目指しましょう。もちろん、男性にもおすすめ。一緒に楽しくやってみよう!
生活習慣病の予防・改善に有酸素運動
軽~中程度の負荷を継続的にかける運動は、体脂肪の減少や高血圧、糖尿病、動脈硬化などの予防・改善に有効。ウォーキングや水泳などのほか、ラジオ体操もおすすめ。今より10分多く体を動かすのが目標です。
足腰を鍛え、寝たきり予防に筋トレ
足腰の肌肉量が落ち、能力が低下すると、転倒しやすくなります、関節の痛みも出やすくなるため体を動かさなくなり、活動量が低下して、寝たきりになることも。スクワットなら足腰を効率的に鍛えられます。
骨を鍛えるコツコツ体操
かかとの骨に負荷を与え、その刺激を全身に伝えます。ふくらはぎの筋力アップの効果も。イスの背もたれなどにつかまって、両足をそろえてつま先立ちに、つま先にかけていた体重をかかとに移すように、かかとをストンと床に落とします。
尿もれや骨盤臓器脱の対策に骨盤底筋トレーニング
背すじを伸ばしてイスに座り、巻いたタオルをイスの座面と股間の間に置きます。このときタオルが当たる場所が骨盤底筋の前部です。骨盤の下側にある骨盤底筋が緩むと、尿もれや、骨盤内の調胱や子宮が体外に出てくる骨盤臓器脱の原因に。鍛えて予防しよう。
①仰向けになって両手を体の横に置き、両足は肩幅くらいに開いてひざを立てます。全身の力を抜いてリラックス。
②膣と肛門と尿道(男性の場合は肛門と陰茎のつけ根)をギューッとおへそのほうに引き上げる感じで10秒間締め、力を抜きます。5~10秒休み、再び同じ動作を行います。
③今度はキュッと1~2秒間短く締める動きを3回繰り返します。5~10秒間休んだら再び同じ動作を行います。
※目標回数:②と③を各10〜20回くり返して1セット。1日4~6セット。
「まるっと体操」を動画で見ながらやってみよう
女性の健康教育チャンネル「まるっと!」(https://marutto-woman.jp/stretch)。
この中に上半身の血行促進や下肢強化などができる体操動画があるので参考に。
心も体もリラックス

結婚、出産、子育て、親の介護など、さまざまな出来事がストレスに。
気分や用途に合わせたアロマセラピー
香りを楽しむアロマセラピーでストレスを解消してみては? イライラしているときはラベンダー、不安なときはシダーウッドなど、気分や用途に合わせてエッセンシャルオイルを選ぶとよいでしょう。
体を温めて、心身ともにほぐす入浴
ぬるめの湯に肩までつかり、ゆっくり入浴。 副交感神経が優位になり、お湯の浮力効果も加わって心身がリラックス。就寝の90分ほど前に入浴し、一時的に体温を上げておくと、入眠しやすくなります。
適切な治療、早期発見

気になる症状があったら 早めに受診。定期的な検診で早期発見を。
かかりつけ婦人科医をもとう
生活に支障が出るほどの月経痛や更年期症状などは婦人科を受診。月経が始まったら何でも相談できるかかりつけ婦人科医をもつのが理想。日本女性医学学会のHP(https://www.jmwh.jp/n-ninteiseido.html)を参考に探すのもよいでしょう。
20代からは子宮頸がん検診
ウイルス感染が原因と考えられているのが子宮頸がんです。40~50代に多発しますが、性交渉の年齢が下がっていることなどから20代でかかる人が増加。自治体で20歳以上を対象に住民検診が行われています。
女性の9人に1人は乳がんに
なんと一生のうちに乳がんにかかる女性の割合は9人に1人といわれます。特に目立つのが30~40代の増加です。各自治体で40 歳以上を対象に住民検診が行われていますが、できれば30歳を過ぎたら検診を。
乳がんのセルフチェックを習慣に
乳がんは自分で早期発見できるがんです。月に1回、鏡の前で両腕を上げ下げし、乳房にへこみやひきつれがないか、乳房の形や大きさに変化がないかなどを確認。乳房全体を触ってしこりがないかもチェック。
40歳過ぎたら骨粗しょう症検診
閉経後、骨量をキープする働きのあるエストロゲンの分泌が減ると、骨粗しょう症を招きやすくなります。多くの自治体で40歳~70 歳(5歳刻み)の女性を対象に骨粗しょう症検診を実施しています。
個人差が激しい月経関連疾患や更年期障害
月経の量や周期、月経痛の程度は人それぞれ。更年期障害の症状も個人差が激しいものです。1 人で抱え込まず婦人科などに相談しましょう。個人差を理解して助け合うことが大切です。
戦前の女性より月経の回数が増えている
通常、妊娠中や授乳中は月経がありません。妊娠・出産の回数が減っている現代女性の月経数は戦前の女性よりも増加、その影響で、子宮内膜症や子宮体がんなどが増えています。
制度を知っておこう
女性の社会進出を支援するため、生理休暇や産前産後休業、育児休業、介護休業などが法律で定められています。都道府県労働局の「総合労働相談コーナー」などで相談できます。
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引用
“引用文献:classA Life”
