薬局が勧める 『楽しく過ごして脳いきいき』

薬剤師コラム

足腰などと同様に、脳の働きは加齢とともに低下。しかし、それを嘆いてばかりいては、脳の働きは衰える一方です。常に生きがいや夢をもって生きること。それが脳を元気に保つ秘訣です。

国内外のさまざまな研究から脳が元気になる4つの習慣がわかってきました。

コミュニケーションを取る:楽しくおしゃべりをしよう

1日5人以上の人と会話をする人は認知症リスクが下がるとの研究結果が。積極的にコミュニケーションを取りましょう。

なぜおしゃべりが脳に良いの?

会話をするとき、相手の話を聞いて内容を理解し、返す言葉を選んで文章を組み立て声に出して います。これらを同時に行うため、脳は活発に働きます。3人以上での会話なら脳はより活発に。

新しいこと、知らないことが刺激に

新しいことや知らないことは脳にとって大きな刺激に。おしゃべりも、知らない人とのほうが への刺激は大きく、脳の働きが活発に。挨拶だけでなく、天気などの話題でおしゃべりを。

ポジティブな話題で脳が元気に

ポジティブな話を見聞きし楽しい気持ちになると、脳に神経伝達物質のアドレナリンやドーパミンが放出されます。脳の血流が増え、多くの酸素や栄養素が脳に運ばれ神経細胞が活性化。

昔の写真や動画を見ておしゃべり

昔の写真や動画を見て思い出を語り合うと、過去の記憶が想起され脳が活性化。これは「回想法」という、認知症予防法の一つです。回想法ライブラリー (NHK)では昔の映像が見られます。 https://www.nhk.or.jp/

地域の活動や趣味の集まりに参加

地域活動に参加している人は、参加していない人に比べて認知症リスクが低いとの研究結果があります。趣味の集まりに参加すれば、共通の話題で会話が弾むことでしょう。

おしゃべりのための体操

舌や口の筋肉が衰えると言葉を明確に発音できず、おしゃべりをしにくくなります。「パ」「タ」「カ」 「ラ」をそれぞれ連続して早く発音しましょう。舌や口の筋肉を鍛えることができます。

有酸素運動を行う:頭と体の体操をやってみよう

有酸素運動は酸素を継続的に体内に取り込みながら行います。これにより神経栄養因子が分泌さ れ、神経細胞が活性化することが知られています。運動するだけでも脳に良い影響を与えるのですが、さらにその効果を高める方法が、運動と脳トレ的な要素を同時に行うことです。体だけでなく頭も刺激され、より活性化します。

散歩をしながら花の名前を覚える

散歩は気軽な有酸素運動です。散歩をしながら道端に咲く花の名前を覚えたり、鳥を観察したりしてはいかがでしょう。歌いながら家事をする、電話をしながらメモをとるなどもおすすめ。

座って足タッチ

床に座ってひざを曲げ、数字を数えながら左右交互に足を上げます。3の倍数のとき、上げた足と反対側の手で、上げた足のつま先をタッチ。 まずは6まで数えて繰り返します。

ステップしながらしりとりをする (3人以上)

右足前、左足前、右足戻す、左足戻す、で元に戻ります。この4ステップを繰り返しながら1回ごとにしりとりをします。2つ前と1つ前の人が言った言葉を言ってから、自分の言葉を言います。

趣味を楽しむ:好きなものから挑戦してみよう

カラオケ、旅行、映画鑑賞など何でもいいのでぜひ趣味を持ちましょう。趣味を楽しんでいるときは、脳も一緒に楽しんでいます。認知機能というと記憶力のことだと思うかもしれませんが、ほかにもさまざまな認知機能があります。ここでは代表的な8つの認知機能を紹介。これらをまんべんなく鍛えましょう。

物の位置を正しく把握(視空間認知機能を使う)

例:ちぎり絵、塗り絵、生け花、園芸など

目から入る情報を、上下、左右、前後などの位置関係や立体的な空間として把握するのが視空間認知機能です。まずは、好きな絵を真似して描いてみることから始めてみましょう。

集中力を鍛える(注意機能を使う)

例:文字探しゲーム、パズル、手芸など

注意機能とは、外からの刺激や自分の考え方に対して適切に意識を向け、持続させる能力。この機能が衰えると転勤しやすくなったり、自転車を安全に運転できなくなります。

記憶力を鍛える(近時記憶を使う)

例:神経衰弱、記憶力を使う資格取得の勉強など

「朝食に焼き魚を食べた」「数日前に孫の運動会の応援に行った」など、数分から数日たったあとに思い出す記憶が近時記憶です。朝食を食べたこと自体を忘れていたら認知症が疑われます。

先を読む(作業記憶を使う)

例:クロスワード、料理など

会話は相手の話を一時的に記憶することで聴いていきます。このときに必要な機能が作業記憶で、ワーキングメモリーともいいます。読み書きや運動などにも関わっている機能です。

足し引きなどの暗算(計算力を使う)

例:買い物での暗算、計算ドリルなど

数を理解して計算する力が計算力。算数や数学などの勉強のときだけでな 、時計を見て時間を把握する、予算を考えながら買い物をするなど、日常生活の中でも計算力を働かせています。

情報を整理する(思考力を使う)

例:おしゃべり、日記、俳句、短歌など

思考力は、脳に貯蔵された情報を整理したり結合したりしながら筋道を立てて考える力で、作業記憶とともに会話に必須。思考力が低下すると、会話がうまくかみ合わなくなります。

計画して成し遂げる(遂行力を使う)

例:料理、手芸、折り紙、楽器演奏、旅行など

計画を立て、それを成し遂げるために必要な行動を効率よく行える能力が遂行力です。日常生活の中で運行力が一番使われるのが料理。手芸や折り紙なども遂行力が必要です。

必要なものを選ぶ(判断力を使う)

例:ジグソーパズル、バランスゲームなど

物事を正しく認識し、目的や条件に応じて適切な判断をするのが判断力。 スーパーに行って必要なものを買う。 赤信号でブレーキを踏むなどのときに判断力が働いています。

食事に気をつける:1日3食バランスの良い食事が基本。脳に良い食材を上手に取り入れよう

さまざまな食品を取り入れることは、栄養バランスが整うだけでなく脳の機能維持にも役立つことが明らかになっています。

野菜、海藻、豆、乳製品などがおすすめ

ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールなどを含む食品が脳に良いとのデータが出ています。乳製品の摂取量が多いほど認知機能の低下リスクが小さくなったという報告も。

カレーに含まれるクルクミンがアミロイドβの蓄積を抑制

カレーの黄色のもととなるウコンの色素成分クルクミンには、 アルツハイマー型認知症の原因の一つとされるアミロイドβの 脳への沈着を減らすとの実験データが報告されています。

※アミロイドβ:脳内で作られるたんぱく質の一種

シークワーサーに多いノビレチンは抗認知症成分

柑橘類に含まれるノビレチン というポリフェノールの一種が、脳の神経細胞を活性化することが確認されています。 柑橘類の中でもノビレチンが多いのがシークワーサーで、特に豊富。

あわせて知りたい、脳に良いこと・悪い事

悪いこと脳に良い習慣はまだまだあります。逆に悪い習慣もわかっています。

睡眠の質を高める

アミロイドβは、 寝ている間に、 脳内から排出されるといわれます。朝、すっきり目覚め、昼間は元気に活動できるような良質な睡眠をとって、アミロイドβの排出を促しましょう。

脳に良い香りの刺激

アルツハイマー型認知症の場合、発症前に嗅神経の働きが低下し、においに鈍感になることが指摘されています。ローズマリーやラベンダーなどの香りで脳に刺激を与えましょう。

生活習慣病に気をつける

糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病がコントロールされていないと、アミロイドβが増加しやすくなるといわれます。これらの元になる肥満にも気をつけて。

聴力の低下は認知症のリスクに

聴力が低下すると脳に伝わる音の情報が少なくなります。その分、脳の活動が減少し、人とのコミュニケーションにも支障が生じます。聞こえにくさを感じたときは耳鼻咽喉科を受診。

脳の健康のためにも

吸煙はがんをはじめ、 心臓病や糖尿病など多くの病気と関わっていますが、脳にも悪い影響をえます。喫煙者はすぐに禁煙を。禁煙外来を受診するのもよいでしょう。

1日中テレビを見る生活はやめよう

出かけること もなく、1日中テレビを見ているような生活では、脳の働きは低下する一方です。ここで紹介したことを参考に、 暮らしに少し変化を加えてみませんか。

認知症が疑われたら早めに受診

認知症は早期発見と治療、ケアによって症状を遅らせることが可能です。もの忘れ外来などを受診しましょう。なお、認知機能の低下を遅らせる新薬も近年承認されています。

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引用

引用文献:classA Life”

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